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韓国籍の方の相続登記 完全ガイド|必要書類・費用・流れ・よくある補正

韓国籍 相続登記の手順は、通常の日本人同士の相続登記と大きく異なります。「韓国籍の案件に対応できる司法書士が近くにいない」「何から始めればよいかわからない」とお困りの方は少なくありません。

実際のところ、韓国籍の方の相続登記では、韓国戸籍の収集・外国人登録原票の取得・韓国法の理解など専門知識が必要な場面が多く、対応できる司法書士事務所も限られているのが実情です。

そこで、司法書士法人SORAでは韓国籍 相続登記に関するご相談を多数いただいており、韓国書類の収集から法務局への申請まで一貫してサポートしています。本記事では、実務経験をもとに手順・必要書類・費用・よくある補正を徹底解説します。最後まで読んでいただくことで、次に何をすべきかが明確になります。

相続登記(被相続人が韓国籍):この記事でわかること

  • 韓国籍 相続登記が通常の相続登記と何が違うのか
  • 手順と必要書類の入手先(韓国書類含む)
  • 司法書士に依頼した場合の費用の内訳
  • 岡山地方法務局でよくある補正事例と回避策
  • 相続登記義務化(2024年4月〜)による期限と罰則

韓国籍 相続登記の手順:まず「どの法律が適用されるか」を確認する

韓国籍の方の相続登記を進めるには、まず「相続にどの国の法律が適用されるか」を確認することが出発点です。具体的には、日本の「法の適用に関する通則法」第36条により、相続は被相続人の本国法(韓国法)によるのが原則とされています。ただし、日本国内の不動産の登記手続き自体は日本の不動産登記法に従います。

つまり「相続の実体(誰が相続人か・相続分はどうなるか)は韓国法」「登記の手続きは日本法」という二層構造になっています。したがって、この前提を理解した上で書類を揃えることが、スムーズな手続きの鍵です。


1. 韓国籍 相続登記が特殊な理由|司法書士が解説

1-1. 適用される法律が日本の相続登記と異なる

日本人同士の相続では、民法(日本)がそのまま適用されます。一方、韓国籍の方が被相続人の場合、「法の適用に関する通則法」(平成18年法律第78号)第36条により、相続は原則として被相続人の本国法、つまり韓国民法が適用されます。

特に注意が必要なのは、韓国民法における相続順位・相続分が日本民法と異なる点です。たとえば配偶者の相続分の計算方法や代襲相続の範囲などに違いがあるため、相続人と相続分の確定にあたっては韓国民法の内容を事前に確認することが必要です。

1-2. 韓国籍 相続登記で必要な戸籍の種類と収集先

日本人の相続登記では、市区町村役場で日本の戸籍謄本・除籍謄本を収集します。これに対して、韓国籍の方の相続登記では、韓国の戸籍に相当する書類として以下を収集します。

  • 家族関係証明書
  • 基本証明書
  • 婚姻関係証明書
  • 入養関係証明書
  • 親養子入養関係証明書
  • 除籍謄本※旧韓国戸籍

これらは韓国の市区役所または在日韓国大使館・領事館で取得します。日本に在住している場合は、各地の韓国総領事館に請求するのが一般的です。

加えて、日本に在住していた韓国籍の方については、外国人登録原票の閉鎖事項(法務省への情報公開請求)の取得が必要になるケースもあります。取得には数か月かかるため、早めに手配することをお勧めします。

1-3. 韓国戸籍は原本還付処理の省略ができない

日本国籍の相続登記では、戸籍関係資料について「相続関係説明図」を添付することで、提出した戸籍資料の原本還付処理(コピーを保持したまま原本を返してもらう処理)を省略できます。

ところが、韓国戸籍についてはこの省略処理が認められていません。そのため、実際に手続きを進める際は事前に管轄の法務局に確認することをお勧めします。取得した戸籍関係について、すべて写しをとり、申請書に添付する必要があります。


2. 韓国籍 相続登記:あなたはどのケースに該当しますか?

ケースA:被相続人・相続人ともに韓国籍

在日韓国人の方に最も多い、典型的なケースです。この場合、相続の実体は韓国民法が適用されるため、韓国書類の収集が手続きの中心になります。特に、相続人全員の合意が必要な遺産分割協議書を作成する際、韓国在住の相続人がいる場合は署名・印鑑証明に代わる書類(公証・認証)が別途必要になります。

ケースB:被相続人が韓国籍・相続人の一部が日本国籍

帰化によって日本国籍を取得した相続人がいる場合でも、被相続人が韓国籍であれば相続の実体には韓国民法が適用されます。したがって、日本国籍の相続人については日本の戸籍謄本を、韓国籍の相続人については韓国書類をそれぞれ収集する必要があります。なお、書類の種類が異なるため、収集作業に時間がかかる点に注意してください。

ケースC:遺言書がある場合の相続登記手順

被相続人が遺言書を残していた場合、遺言の有効性はその作成時の被相続人の本国法によって判断されます。なお、韓国で作成された遺言書を日本の相続登記に使用するためには、翻訳文の添付と翻訳者情報の明記が必要です。


3. 韓国籍 相続登記に関わる法律・制度の根拠

韓国籍 相続登記の手順に関係する主な法令・制度を整理します。いずれも司法書士として手続きを進める際の根拠となるものです。

法令・制度 内容
法の適用に関する通則法 第36条 相続は被相続人の本国法(韓国民法)による
不動産登記法 日本国内の不動産登記手続きの根拠
不動産登記法 第76条の2 相続登記の申請義務化(2024年4月施行)
韓国民法 第1000条〜 韓国の相続順位・相続分の規定
   

 

4. 韓国籍 相続登記の手順:STEP1〜7の全体像

STEP 内容 期間の目安
STEP 1 不動産の調査・確認 1〜2週間
STEP 2 相続人の調査(韓国書類の収集) 1〜2ヶ月
STEP 3 外国人登録原票の取得(必要な場合) 数か月
STEP 4 遺産分割協議書の作成・署名 1ヶ月
STEP 5 申請書類の作成・翻訳 1〜2週間
STEP 6 法務局への申請 1〜2週間(審査期間)
STEP 7 登記完了・登記事項証明書の取得 完了後1週間程度

合計の目安:早いケースで1〜2ヶ月、複雑なケースでは半年以上かかることもあります。

なかでも書類の収集(STEP2)に最も時間がかかります。韓国の書類は在日韓国領事館経由での取得に時間を要するケースが多いため、できるだけ早めに動き出すことが重要です。また、外国人登録原票(STEP3)の請求も並行して進めると、全体のスケジュールを短縮できます。


5. 韓国籍 相続登記に必要な書類チェックリスト

5-1. 被相続人(亡くなった方)に関する書類

  • 家族関係証明書(韓国)(入手先:在日韓国領事館または韓国現地 注意:発行日から3ヶ月以内のものを求められる場合あり)
  • 基本証明書(韓国)(入手先:在日韓国領事館または韓国現地 注意:被相続人の死亡記載が入ったものが必要)
  • 婚姻関係証明書(韓国)(入手先:在日韓国領事館または韓国現地)
  • 除籍謄本(제적등본)(入手先:韓国現地の市区役所または在日韓国領事館 注意:旧韓国戸籍。出生〜改製前の記録の確認に必要)
  • 外国人登録原票(閉鎖外国人登録原票)(入手先:法務省への情報公開請求 注意:取得に2〜4週間程度かかる)
  • 住民票(除票)(入手先:最後の住所地の市区町村役場)

5-2. 相続人に関する書類(韓国籍の相続人)

  • 家族関係証明書(韓国)(入手先:在日韓国領事館または韓国現地)
  • 印鑑証明書に代わる書類(在日韓国領事館発行の署名証明書など 注意:遺産分割協議書への署名と合わせて取得)
  • 住民票(入手先:居住地の市区町村役場)

5-3. 相続人に関する書類(日本国籍の相続人がいる場合)

  • 戸籍謄本・除籍謄本(入手先:本籍地の市区町村役場)
  • 印鑑証明書(入手先:住所地の市区町村役場)
  • 住民票(入手先:住所地の市区町村役場)

5-4. 不動産に関する書類

  • 固定資産評価証明書(入手先:不動産所在地の市区町村役場 注意:登録免許税の計算に使用。最新年度のものが必要)
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)(入手先:法務局オンラインサービスまたは窓口)

5-5. その他

  • 遺産分割協議書(相続人全員が署名・押印または署名証明を取得)
  • 翻訳文(韓国語書類すべてに必要。翻訳者の氏名・住所・押印が必要)
  • 上申書(戸籍上の不備や公的証明で説明がつかない事項がある場合に作成)

【実務ポイント】上申書について

韓国籍 相続登記では、戸籍上の不備や公的証明書では説明しきれない事情が生じることがあります。たとえば、旧韓国戸籍(除籍謄本)と現在の家族関係証明書との間で記載に齟齬がある場合や、漢字表記の読み方が確認できない場合などです。

このような場合、上申書を作成して事情を説明し、法務局の審査を通過させるという対応を取ることがあります。ただし、上申書の要否・内容については事案によって大きく異なるため、まずは司法書士へご確認をお勧めします。


6. 韓国籍 相続登記に必要な翻訳文の作成手順

韓国籍 相続登記では、韓国語で記載された書類はすべて日本語の翻訳文を添付する必要があります。具体的には、翻訳文に以下の情報を明記することが求められます。

  • 翻訳者の氏名・住所
  • 翻訳した年月日

翻訳者自体に資格要件はなく、ご自身で翻訳することも可能です。ただし、法務局での実務では、氏名・住所・日付の明記に加えて押印を求められるケースが見受けられます。そのため、事前に管轄法務局へ確認しておくことをお勧めします。

なお、翻訳の精度が低い場合や記載内容に不明点がある場合は補正(差戻し)の原因になります。したがって、専門の翻訳業者または司法書士に依頼することが、結果的にスムーズです。


7. 韓国籍 相続登記の費用|登録免許税・実費・司法書士報酬の内訳

7-1. 登録免許税

登録免許税は、相続登記を申請する際に国に納める税金です。

項目 計算方法 例(評価額1,000万円の場合)
登録免許税 固定資産評価額 × 0.4% 40,000円

固定資産評価額は固定資産評価証明書または固定資産税の課税明細書で確認できます。不動産が複数ある場合は合算して計算します。また、一定の条件を満たす場合に登録免許税の免税措置が適用されることがあります(令和9年3月31日まで)。なお、免税の対象かどうかは法務局のページでご確認ください。

7-2. 実費(書類取得費用)

書類 費用の目安
家族関係証明書等(韓国書類) 事案による
外国人登録原票 300円(情報公開請求手数料)
住民票・印鑑証明書 1通あたり300〜400円
登記事項証明書 1通600円
固定資産評価証明書 1通300〜400円
翻訳費用 書類1枚あたり数千円〜(翻訳業者による)

韓国籍 相続登記は、日本国籍の相続登記よりも実費が多くかかる傾向があります。具体的には、韓国戸籍の取得で4万~6万程度(翻訳込)のことが弊所案件では多いです。弊所では、韓国戸籍の取得を提携している専門家に依頼しているので取得から翻訳までスムーズに進みます。

7-3. 司法書士報酬

韓国籍 相続登記の司法書士報酬は事務所によって異なります。通常の相続登記と比べて書類収集・翻訳確認・法務局との調整などに時間がかかるため、一般的に報酬は高くなる傾向があります。具体的な金額は案件の複雑さによって変わりますので、まずはご相談の上でお見積もりをお出しします。なお、初回相談は無料です。


8. 韓国籍 相続登記でよくある補正事例と回避策|司法書士が解説

韓国籍 相続登記では、通常の相続登記と比べて補正(差戻し)が発生しやすい傾向があります。以下に実務でよく見られる事例と、それぞれの回避策をまとめます。

事例1:翻訳文に翻訳者情報の記載漏れ

翻訳文への翻訳者情報の記載漏れです。氏名・住所・日付が記載されていないケースが見られます。

これを防ぐには、翻訳文を作成する際に必ず翻訳者の氏名・住所・翻訳年月日を明記してください。

事例2:韓国書類の漢字表記の読み方が不正確

旧韓国戸籍(除籍謄本)には日本の漢字と異なる字体が使われていることがあります。そのため、韓国語の原文と翻訳文の内容が一致しない、あるいは漢字の読み方が不正確になりやすい箇所があります。

正確な翻訳が難しいと感じた場合は、無理に自己判断せず、翻訳者または司法書士に確認することをお勧めします。結果として、補正のリスクを下げることができます。

事例3:除籍謄本と家族関係証明書の記載に齟齬がある

旧韓国戸籍(除籍謄本)に記載されている情報と、現在の家族関係証明書の情報が一致しないケースも少なくありません。こうした齟齬は、法務局の審査で指摘される原因になります。

この場合の対処法として、上申書を作成して記載の差異について合理的な説明をすることで対応します。ただし、上申書の内容は事案によって異なるため、司法書士に相談してから作成することをお勧めします。

事例4:外国人登録原票の住所と登記簿の住所が一致しない

登記簿に記載されている被相続人の住所と、外国人登録原票や住民票(除票)の記載が食い違うケースもあります。転居の履歴が記録に残っていない場合に多く発生します。
上申書や権利書、固定資産課税明細書の原本をつけることで対応しますが、事案によって様々です。


9. 韓国籍 相続登記に関するよくある質問(FAQ)

Q. 韓国籍の被相続人が亡くなった場合、相続登記の手順はどうなりますか?

A. 「法の適用に関する通則法」第36条により、相続の実体(誰が相続人か・相続分はどうか)は被相続人の本国法である韓国民法が適用されます。一方、登記の手続き自体は日本の不動産登記法に従います。したがって、まずは韓国書類の収集から始めるのが一般的な手順です。

Q. 韓国語の書類は自分で翻訳してもよいですか?

A. 翻訳自体に資格要件はなく、ご自身で翻訳することも可能です。ただし、翻訳文には翻訳者の氏名・住所・翻訳年月日の明記が必要で、法務局によっては押印を求めることもあります。なお、翻訳の不備は補正の原因になるため、専門の翻訳業者または司法書士への依頼をお勧めします。

Q. 韓国在住の相続人がいる場合、相続登記の手順はどうなりますか?

A. 韓国在住の相続人については、遺産分割協議書への署名について韓国の公証機関で公証を受けるか、在日韓国大使館・領事館で署名証明を取得する方法が一般的です。いずれも手続きに時間がかかるため、早めに準備を始めることが大切です。

Q. 韓国籍 相続登記に期限はありますか?

A. はい、2024年4月1日の不動産登記法改正により、相続登記が義務化されました。具体的には、相続の開始を知り、かつ不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります。なお、正当な理由なく期限を超えた場合、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象となる可能性があります。また、2024年4月より前の相続についても、原則として2027年3月31日が期限です。

Q. 岡山で韓国籍 相続登記を依頼できる司法書士はいますか?

A. 司法書士法人SORAでは、韓国籍 相続登記に関するご相談に多数対応しております。具体的には、韓国書類の収集から翻訳確認・上申書の作成・法務局への申請まで、一貫してサポートします。まずはお気軽にご相談ください。


注意書き

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案により必要書類・手続き・費用が異なる場合があります。また、法務局の運用は管轄や時期によって変わることがあります。具体的なご事情については専門家へのご相談をお勧めします。


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  • 所在地:岡山市北区問屋町11番地106 BOOTH BLD 306号
  • 代表司法書士 柚木徹也(岡山県司法書士会所属 登録第861号)
  • 韓国相続の相続登記に豊富な対応経験があります
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