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相続した土地を売却するには何が必要?相続登記・必要書類・流れは?

相続した土地を売却するには、まず何をすればいい?

相続した土地を売却するには、前提として「相続登記」が必要です。なお、相続登記とは、亡くなった方の名義から、相続人の名義に変える手続きです。名義が亡くなった方のままでは、土地を売ることはできません。

相続登記が完了すると「登記識別情報」が発行されます。これは、いわゆる権利証にあたる12桁の英数字の符号です。売却の際には、この登記識別情報と、売主となる方の印鑑証明書などが必要になります。

また、土地を売ると税金がかかる場合があります。そのため、売却前に税金面の検討もしておくことが大切です。

相続した土地の売却のイメージ

相続した土地は、なぜ相続登記をしないと売却できないの?

土地を売るときは、売主から買主へ名義を移す「所有権移転登記」を行います。登記は、権利が誰から誰へ移ったのかを順番どおりに記録する仕組みです。そのため、亡くなった方の名義から、いきなり買主の名義へ移すことはできません。

実際には、次の2段階で手続きを進めます。

  1. 相続登記:亡くなった方 → 相続人へ名義を変える
  2. 売買による所有権移転登記:相続人 → 買主へ名義を変える

なお、2024年4月1日から相続登記は義務になりました。期限は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。過料とは、行政上のペナルティとして支払うお金です。売却の予定がなくても、相続登記は早めに済ませておきたい手続きです。

相続した土地の売却に必要な書類はどうそろえる?

相続登記が終わったあと、売却の場面で売主(相続人)が用意する主な書類は次のとおりです。

  • 登記識別情報:相続登記の完了後に発行される、権利証にあたる情報(取得先:法務局(相続登記の完了時))
  • 印鑑証明書:売主となる相続人のもの。発行後3か月以内のもの(取得先:市区町村役場)
  • 実印:売買の書類や登記の委任状に押印
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど
  • 固定資産評価証明書:登録免許税(登記の際に国に納める税金)の計算に使用(取得先:市区町村役場)

このほか、不動産会社や買主から別の書類を求められることもあります。そのため、事前に確認しておくと、決済(代金の支払いと名義変更を同時に行う日)が慌ただしくなりません。

実際にはどんな相談がある?

当事務所に寄せられたご相談から、2つのケースをご紹介します(内容は一部変更しています)。

遠方の土地を相続して売却したいときはどうする?

ご相談の状況:県外にある土地を相続されました。遠方のため現地に何度も足を運ぶことが難しく、売却の手続きが煩雑で困っておられました。

対応:当事務所が代わりに売却のサポートを行いました。

相続登記は、不動産のある場所へ出向かなくても、郵送やオンラインで申請できます。遠方の不動産だからと手続きを先延ばしにせず、まずはご相談ください。

相続人が複数いる場合、売却代金はどう分ける?

ご相談の状況:相続した土地について、相続人が複数いるケースです。

対応:代償分割を行い、相続人の代表者が土地を売却したうえで、売却代金を各相続人に清算しました。

相続人全員の共有名義のまま売却すると、全員が売主として契約や決済に関わることになります。代表者がまとめて手続きをする方法は、こうした負担を減らす選択肢のひとつです。ただし、分け方によって税金の扱いが変わる場合があります。そこで、税理士と連携して対応します。

相続した土地の売却までの手続きはどう進める?

おおむね次の流れで、相続した土地の売却を進めます。

  1. 相続人を確定する:亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、誰が相続人かを確認します。2024年3月からは、本籍地が遠方でも最寄りの役所で戸籍をまとめて請求できるようになりました(戸籍の広域交付)。
  2. 遺産分割協議を行う:相続人全員で、誰が土地を取得するか話し合います。まとまった内容は「遺産分割協議書」にし、全員が実印で押印して印鑑証明書を添えます。
  3. 相続登記を申請する:法務局に申請し、完了すると登記識別情報が発行されます。
  4. 税金を確認する:売却で税金がかかるかどうかを、税理士と連携して確認します。
  5. 買主を探す:不動産会社に依頼して、買主を探します。
  6. 売買契約・決済を行う:決済の日に代金の受け取りと同時に、買主への所有権移転登記を申請します。
  7. 代金を清算する:代表者が売却した場合は、話し合った内容に沿って相続人へ代金を分配します。

不動産会社への査定依頼は、相続登記と並行して進めることもできます。ただし、契約や決済の日程は、相続登記が終わる見込みを踏まえて決めるようにしましょう。

相続した土地の売却で気をつけたいポイントはどこ?

「名義はそのままでも売れる」と思っていない?

よくある勘違いが、「買主が見つかってから名義を変えればよい」「相続人なのだから、そのまま売れる」というものです。相続登記をしないと売却はできません。特に、戸籍集めや遺産分割協議には時間がかかることもあります。そのため、売却を考え始めた段階で準備に取りかかるのがおすすめです。

相続人の一部だけで話を進めていない?

遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。一人でも参加していないと、協議は成立しません。そのため、疎遠な相続人がいる場合も、早めに連絡を取っておきましょう。

税金の検討を後回しにしていない?

土地を売却すると、税金がかかる場合があります。さらに、売り方や代金の分け方によっても扱いが変わることがあります。そのため、売却前の段階で確認しておくことが大切です。税金については、税理士と連携して対応します。

どんなときに専門家へ相談したほうがいい?

次のような場合は、ご自身だけで進めるより、早めに司法書士へご相談いただくと手続きがスムーズです。

  • 土地が遠方にあり、現地での手続きが難しい
  • 相続人が多い、または疎遠な相続人がいる
  • 連絡がつかない相続人がいる
  • 相続人の中に、認知症などで判断が難しい方がいる(成年後見人=判断能力が十分でない方を法的に支援する人、の選任が必要になる場合があります)
  • 祖父母の代など、何代も前から名義が変わっていない
  • 売却代金の分け方を含めて、遺産分割の進め方に迷っている

司法書士は、相続登記と売却時の名義変更(登記)の専門家です。相続人の間で意見が合わない場合は弁護士と、税金については税理士と連携して対応します。

結局、何から始めればいい?

相続した土地を売却するための第一歩は、相続登記です。ポイントをまとめると次のとおりです。

  • 名義が亡くなった方のままでは売却できない。まず相続登記を行う
  • 売却時には、登記識別情報(権利証)や印鑑証明書などが必要になる
  • 相続登記は2024年4月から義務になっている
  • 税金がかかる場合があるため、売却前に確認しておく

岡山市の司法書士法人SORAでは、相続登記から売却時の登記までご相談をお受けしています。県外の土地の売却サポートも行っています。税金や相続人間のお話し合いについては、税理士・弁護士と連携して対応します。「何から手をつければいいかわからない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問は?

Q1. 相続登記の前に、不動産会社へ査定を頼んでもいいですか?

はい、査定や売却の相談は相続登記の前でも可能です。ただし、売買契約の締結や買主への名義変更は、相続登記が完了してからになります。査定と相続登記の準備を並行して進めると、全体の期間を短くできます。

Q2. 相続人全員がそろって売却の手続きをしないといけませんか?

相続人全員の共有名義で売却する場合は、全員が売主となります。一方、遺産分割協議で代表者が土地を取得し、売却後に代金を分ける方法もあります。どの方法が合うかは、ご事情によって異なります。また、税金の扱いも変わる場合があるため、税理士と連携して対応します。

Q3. 義務化より前に相続した土地も、相続登記が必要ですか?

はい、2024年4月1日より前に相続した不動産も義務化の対象です。この場合、2027年3月31日までに申請する必要があるとされています。売却の予定がある場合は、なおさら早めの手続きをおすすめします。

※事例は実際のご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一部変更しています。

この記事の監修者

柚木 徹也(ゆのき てつや)
司法書士法人SORA 代表/司法書士

  • 岡山県司法書士会所属 第861号
  • 簡裁訴訟代理認定番号 第1112075号
  • 得意分野:相続・遺言・不動産取引

香川大学法学部法学科卒業。2011年に司法書士試験に合格し、神戸の司法書士法人で相続手続き・不動産登記を中心に、商業登記・債務整理・遺言執行など幅広い業務に携わる。2016年に地元へ戻り個人事務所を開設、2021年8月に司法書士法人SORAを開設。「士業に相談するハードルを下げたい」という思いから、税理士など他士業と連携し、相談から手続きまで伴走できる体制づくりに取り組んでいる。

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